徳島大学歯学部卒業後、愛知県大府市にてこころ歯科クリニックを開院。マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を歯科治療に利用し、またそれに関する講演も行っている。
まだ穴のあいていないごく初期の虫歯の場合、歯の再石灰化という働きにより虫歯が治るということがわかってきたから、というのがその理由です。
ただし、歯の再石灰化がうまくいかないと、虫歯ができてしまいます。今回は歯の再石灰化を起こしやすくする方法についてご紹介していきます。
口の中に飲食物が入ると、口の中が酸性に傾いてミネラル成分が溶け出してしまい、その後、唾液の持つ働きにより、唾液中のミネラル成分が歯に沈着する、というのがそのメカニズムです。
歯が溶かされる現象を「脱灰(だっかい)」、歯にミネラル成分が沈着することを「再石灰化」と呼んでいますが、この両者のバランスは、食生活や生活習慣によって大きく変わってきます。
脱灰と再石灰化が良いバランスで行われれば、虫歯へと発展することはありませんが、脱灰のスピードが再石灰化よりも速ければだんだんと歯が溶かされ、いずれ歯に穴があいて本格的な虫歯へと進展してしまいます。
穴のあいた本格的な虫歯になってしまうと、もはや様子を見ておくわけにはいきません。そうなってしまった場合には、できるだけ早い段階で、虫歯を削って詰めるという治療が必要になります。
食事以外にものを食べることが多く、口の中に食べ物や飲み物が入っている時間が長いほど、その分お口の中が酸性に傾く時間が多くなり、歯が溶かされやすくなります。間食はしたとしても、だらだらと食べ続けることを避け、短時間に済ませればそれほど問題はありません。
できれば、朝、昼、晩の3回、食後に歯磨きをするのが理想的ではありますが、最低でも朝と夜の1日2回は歯磨きをするようにしましょう。特に、夜眠っている間には唾液の分泌が落ちて虫歯のリスクが大幅に高まりますので、寝る前の歯磨きは欠かさず、丁寧に行うことが大事です。
歯の再石灰化を起こす唾液を出すことは必要不可欠です。唾液が少ないと、歯を修復することができません。唾液を出すためには、食べる際にしっかりと噛んで唾液線を刺激することが大切です。
最近では、よく噛まなくても食べられるようなやわらかい食べ物が溢れているため、唾液の分泌がうまく行われずに、ドライマウスの症状を訴える人が多くなっていると言われています。
フッ素は歯の再石灰化を助け、歯を強くしてくれる効果があります。家庭での歯磨きの際にはフッ素配合の歯磨き粉を使用し、歯の再石灰化を積極的に起こすように心がけましょう。
また、お子さんや、初期虫歯があるというような虫歯リスクが高い人は、定期的に歯科医院で高濃度のフッ素を塗布することで石灰化が促され、歯を虫歯から守ることができます。
歯科で初期虫歯と診断された場合、削らずに経過観察となるのが一般的ですが、油断は禁物です。しっかりとケアを行わなければ、虫歯が進行して本格的な虫歯になってしまう危険性があるため、以上のようなことに気をつけ、定期的に歯科での検診やケアを受けるようにしましょう。
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