歯科コラム

Column

歯科医が教える 歯についての豆知識

この記事を書いたのは…
畑 伸二郎
こころ歯科クリニック 院長 畑 伸二郎

徳島大学歯学部卒業後、愛知県大府市にてこころ歯科クリニックを開院。マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を歯科治療に利用し、またそれに関する講演も行っている。

 

不正咬合は予防が可能?日常生活で気をつけるポイント

2018年10月5日
受け口になったり出っ歯になったりしている歯並びの悪い状態のことを、不正咬合(ふせいこうごう)といいます。遺伝が関係しているという説もあるのですが、「悪い癖」が不正咬合の症状を悪化させることがあります。
癖が関係しているということは、癖を直せば不正咬合にならずに済むかもしれないということです。もしくは、不正咬合を悪化させずに済むかもしれません。
日常生活のなかでできる不正咬合の予防法について紹介します。

不正咬合の種類と原因

不正咬合の種類と原因
不正咬合には受け口(下顎前突、かがくぜんとつ)や出っ歯(上顎前突、じょうがくぜんとつ)以外に、歯が斜めに生えたり前後に重なって生えたりする叢生(そうせい)や、奥歯をかみ合わせたときに上下の前歯が触れない開咬(かいこう)、かみ合わせたときに上の前歯に下の前歯の大部分が隠れてしまう過蓋咬合(かがいこうごう)などがあります。

遺伝による不正咬合では、顎の骨の形が影響していることがあります。その場合、矯正治療は長期化するかもしれません。また一般的な矯正治療でも治らないときは、外科手術で顎の骨を削ることもあります。

ただそこまで悪化することはまれです。
指しゃぶりなどの「悪い癖」によって不正咬合が生じることがあります。もちろん、赤ちゃんの指しゃぶりはまったく問題ありませんが、例えば幼稚園に入る年齢になっても指しゃぶりをしている場合は、やめさせたほうがいいでしょう。
そのほかにも不正咬合を引き起こす「悪い癖」があるので紹介します。

口呼吸

口呼吸をしている人は、不正咬合になりやすいといわれています。それは、口呼吸をしているときに口を開いているからです。
口を開いていると、上下の唇が上下の前歯の表面を「押していない」状態になります。「歯を押さない」状態が長期間に及ぶと、歯が悪い方向に成長してしまうのです。

つまり、口を閉じて鼻呼吸をしている人の唇は、いい具合に歯を押し続けているのです。
唇の重量は数十グラムしかありませんし、唇が前歯を押す力といっても微力にすぎません。しかしわずかな力でも1日20時間、年7,000時間以上に及ぶと、歯の成長をコントロールしたり、歯の移動を制御したりする大きな力になるのです。

また出っ歯の兆候がある人は口を閉じにくいので、口呼吸になりがちです。口呼吸のほうが楽に感じるのでそれが癖になり出っ歯をさらに悪化させる、という悪循環に陥る可能性があります。
口呼吸は口のなかの乾燥を招き虫歯や歯周病のリスクを高めるので、早急に治したほうがいいでしょう。

片方で噛む

不正咬合は左右のずれで生じることもあります。奥歯で食物を噛むとき、右だけ、または左だけになっていないでしょうか。
右だけで噛む癖があると、右の顎だけが発達してしまいます。つまり左右の顎の大きさが違ってくるのです。そうなれば当然かみ合わせも狂ってしまいます。
かみ合わせが狂うということは、頻繁に咀嚼(そしゃく、噛むこと)に使われる歯と、ほとんど使われない歯にわかれることになります。咀嚼に使われる歯は常に押さえつけられるので成長が抑制されますが、ほとんど使われない歯は自由に伸びてしまいます。それで歯並びが悪くなる(不正咬合になる)のです。

さらに、右だけ(あるいは左だけ)で噛み続けていると、たまに左で(あるいは右で)噛むことに違和感を持つようになります。するとますます右だけ(あるいは左だけ)で噛むようになります。
片方で噛む癖も、悪循環を引き起こすのです。

顎の発達

顎の発達
不正咬合は、顎が小さいことでも発症します。顎が小さいとすべての永久歯が顎のなかに収まりきらないので、斜めに生えたり、先に生えている歯を押したりしてしまうからです。
顎の大きさは遺伝もありますが、幼いころの習慣も影響してきます。

母親の乳房から母乳を飲むことがなかったり母乳の期間が短かったりすると、顎を動かす時間が短くなり、顎が順調に発達しなくなることがあります。これも小さな顎になる原因とされています。
離乳食に移行したときも注意が必要です。離乳したてのころは液体に近いメニューでかまわないのですが、それを続けすぎて繊維質の食材を食べさせないと、顎を使わなくなります。
また、幼いころに高い椅子に座り続け、食事をするときに足が床に着かずブラブラさせていると、噛むときに力が入らず顎の発達に悪影響を及ぼします。

しっかり食べる習慣がない

成長期の食習慣も顎の成長に大きく影響します。
好き嫌いがある、硬いものを食べない、間食が多く朝ご飯を食べない、といった悪い食習慣は、顎を含む全身の成長にとってよくありません。

また、あまり咀嚼せずすぐに飲み込むのもよくない癖です。子供うちから一口30回噛む習慣を身につけておいたほうが顎の成長にはよいでしょう。

食事中に大量の水分を飲むこともよくない習慣とされています。もちろん喉を詰まらせてはいけないので、水分を摂りながら食べることが「絶対にダメ」な習慣というわけではありません。
しかし常に大量の水やお茶を飲めるようにしておくと、「食材を噛まずに流し込む」習慣がついてしまいます。それは顎の成長を阻害するだけでなく、胃や腸にも負担をかけます。
よく噛んでたくさんの唾液を出し、唾液の力を借りて飲み込むことが理想です。

これを心がけましょう

これを心がけましょう
ここまで紹介した内容を振り返ってみましょう。
●指しゃぶりの癖をやめさせる
●口呼吸をやめて鼻呼吸する
●左右両方で噛む
●乳房から母乳を飲むほうがよい
●離乳食に注意する
●足が床につく椅子に座らせる
●好き嫌いをしない、硬いものも食べる
●間食を少なくして3食をしっかり食べる
●一口30回噛む癖をつける
●唾液をたくさん出して飲み込む

まとめ~よい食習慣を身につけさせてあげましょう

親が子供の食生活を改善してあげることが不正咬合の予防につながります。子供が幼いころは「噛む回数などにかまっていられない」ほど、忙しいと思います。しかし毎回、食べ方をチェックする必要はないのです。余裕がある食事のときだけでもいいので、子供の食べ方をしっかりみてあげて、間違った食べ方をしていたら注意してあげてください。
ちょっとした気遣いが、子供の歯並びに影響するからです。困ったら歯科クリニックの歯医者に相談しましょう。


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