歯科コラム

Column

歯科医が教える 歯についての豆知識

この記事を書いたのは…
畑 伸二郎
こころ歯科クリニック 院長 畑 伸二郎

徳島大学歯学部卒業後、愛知県大府市にてこころ歯科クリニックを開院。マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を歯科治療に利用し、またそれに関する講演も行っている。

 

矯正治療ってなぜ期間が長くかかるの?

2019年11月30日
矯正治療は、一般的に期間が長くかかります。これは矯正治療の一つの欠点と言えるかもしれません。

でも、最近の矯正は目立たずに行えるので、「目立つ装置が長期間つく」というデメリットはなくなってきています。

ですがやはり、「出来るだけ歯並びを早く整えられればいいのに」という方も多いと思います。

そこで、今回はなぜ、矯正治療は期間が長くかかるのか、なぜ早く終わらせられないのか、ということについてご紹介していきます。

矯正治療が長くかかる理由

矯正治療が長くかかる理由
一般的に、矯正治療の治療期間というのは大体2年〜2年半くらいです。やはり他の歯科治療などと比べたら、かなり長いと言えるでしょう。矯正治療が長くかかる理由として、次のような理由が挙げられます。

歯や周囲組織にダメージを与えないため

矯正治療では、骨の代謝のスピードに合わせて歯を動かしていきます。骨は肌と同様、毎日、「破壊」と「再生」という新陳代謝を行なっています。

矯正治療はこの新陳代謝のペースに合わせて歯を動かしていきますが、それに合わせると、大体1ヶ月に1mmくらいしか歯を動かすことができません。

強い力をかければもっと早く動かすことはできなくもないのですが、そうすると歯や周囲組織にダメージを与え、様々なトラブルを引き起こしてしまいます。

保定期間が必要なため

矯正治療は、歯が並んだら装置を外して終了、というものではありません。

実は歯というのは矯正治療で動かした後、その治療にかかった期間と同じくらい、「保定期間」というのが必要になります。

歯並びは、動かした後は元の位置に戻ろうとする性質があり、これを阻止しないと、再び歯並びが崩れてしまうため、保定装置をいう取り外し式の装置を装着して歯並びの後戻りを防ぐ必要があるのです。

歯並びがきれいになった後は、ついつい「終わった」と油断しがちですが、根気強く保定装置を使い続けることを欠かしてはなりません。

小児矯正の場合

小児矯正には、1期治療と2期治療があります。1期治療は永久歯に全て生え変わるまでの段階、2期治療は永久歯が生えそろった後から行います。

小児矯正は1期治療から始めますので、全て永久歯に変わる12〜13歳くらいまで続くのに加え、その後2期治療に移行する場合には、そこからさらに治療が続きます。

そのため、子供の矯正治療は特に長く感じられるかもしれません。ですが、子供の矯正治療はあごの成長期間に合わせて行わなければならないため、早く終わらせる、ということは不可能なのです。

無理に歯を早く移動させようとするとどうなる?

無理に歯を早く移動させようとするとどうなる?
当院でも、「なんとか早めに矯正治療を終わらせられませんか?」というご要望を受けることがあります。でも、歯に無理に力をかけて早く動かしたところで、歯や周囲の組織にダメージを与えて、歯の寿命を短くしてしまっては元も子もありません。

矯正治療で歯が動くメカニズムは、歯を動かす力によって圧をかけられた周囲の骨が破壊と再生を繰り返すことによって起こります。

もしそこで力をかけすぎると、なんと、歯の歯根が破壊され、吸収されて歯が短くなってしまうことがあるのです。また、周囲の骨も再生できずに骨が減ってしまう危険性があります。

そうなってしまうと、歯が骨にしっかりと埋まっていない状態となり、早めに抜けてしまう可能性があるのです。そのため、矯正治療というのは適正な力を守って行う必要があるのです。


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