歯科コラム

Column

歯科医が教える 歯についての豆知識

 

矯正治療中、虫歯対策はどうする?

2019年09月22日
矯正治療をして歯並びを整えると、口元の見た目が良くなるだけでなく、歯のお手入れがしやすくなり、虫歯や歯周病にもかかりにくくなります。ですが、矯正治療中は、歯に装置を固定している場合、虫歯リスクが一時的に高まり、油断をすると虫歯ができてしまいます。

そこで今回は、矯正治療中に虫歯を防ぐための方法についてご紹介していきたいと思います。

矯正治療中は歯磨きがしにくい

矯正治療中は歯磨きがしにくい
矯正治療でもっとも多く行われているのは、歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる装置をつけてワイヤーを通す、ワイヤー矯正(ブラケット矯正)と呼ばれるものです。

最近では「マウスピース矯正」という目立たない矯正も人気が出てきており、この方法だと虫歯のリスクが高くなることはありません。ですがこの方法の場合、適用症例が限られますので、全ての場合で行えるわけではありません。

ワイヤー矯正の場合、ほぼどんなケースにもフレキシブルに対応できるので、やはりこちらで行われるケースが多くなります。

ワイヤー矯正は、ほぼどんな症例にも対応できるメリットがあるのですが、歯の表面に装置が付き、その上にワイヤーが通るため、歯垢がたまりやすく、虫歯リスクはどうしても高くなってしまいます。

矯正治療中の虫歯対策、どうしたらいい?

矯正治療中の虫歯対策、どうしたらいい?

正しい歯の磨き方を身につけましょう

虫歯を予防するには、まず正しい磨き方で行う必要があります。これは矯正中でなくても、正しい磨けていなければ虫歯ができる可能性がありますので、どんな場合にでも言えることです。

ですが、歯に装置がつくと、歯垢はもっとたまりやすくなります。「歯磨きをやっているのに虫歯になってしまう」、という人がいますが、そういう場合、磨きを「ただやっているだけ」ということが多いようです。

虫歯にならないようにするためには、自己流の磨き方ではなく、歯科医院で正しい歯磨き方をまずは教わりましょう。

歯ブラシ以外の道具も使いましょう

歯ブラシだけで隅々まで磨くことは不可能ですので、矯正中かそうでないかに関わらず、歯ブラシ以外の補助清掃器具を使うことは大切です。

特に歯の矯正中は、特に歯に固定されている装置周囲に歯垢がたまりやすくなります。また、その上にワイヤーなどが付きますので、より一層きれいに磨くのが難しくなります。

歯ブラシ以外の道具としては、毛束の小さいタフトブラシや歯間ブラシなどを使うと良いでしょう。詳しくはブラッシング指導時にアドバイスがあると思いますので、参考にしてみてください。

フッ素を活用しましょう

虫歯にまけない歯を作っておくことも大切です。ご家庭でフッ素入りの歯磨き剤を使うことで、歯質を強化することができます。また歯科医院で定期的に高濃度のフッ素塗布を受けることで、より一層歯の質が強化されます。

食生活に気をつけましょう

虫歯予防のためには、歯磨きだけでなく、食生活にも気をつけなければなりません。いくら歯磨きをちゃんとやっていたとしても、間食が多く、糖質を多く摂取しているようであれば、歯垢がたまり、虫歯ができてしまいます。まずは規則正しい食生活を心がけ、間食は控えるようにしましょう。

予約をキャンセルしないようにしましょう

矯正治療の予約のキャンセルが多く、治療間隔がその都度大きく開いてしまうと、矯正治療効果が出なくなるだけでなく、装置周囲に蓄積した歯垢によって虫歯ができる可能性が高くなります。できるだけ予約はキャンセルをしないようにするのが歯並びにとっても、歯の健康にとっても大事です。

矯正治療中でも、しっかりと対策することによって虫歯は防げます。ぜひ参考にしてみてください。


 

歯が抜けたらインプラントとブリッジ、入れ歯、どれがいい?

2019年09月15日
歯を失って、治療法をどれにするか迷っている方もいらっしゃることでしょう。今回は、そんな方のために、インプラントとブリッジ、入れ歯のメリット・デメリットを含めてご紹介します。

歯を失った時に行う治療法、インプラントとブリッジ、入れ歯

インプラントとブリッジの比較模型
歯を補う治療法には、大きく分けてインプラント、ブリッジ、入れ歯の3種類があります。歯を補う治療法といっても、それぞれが全く違う治療法であるため、「どの治療法が一番いいのか」、というのは人によっても異なってきます。それぞれの特徴をよく理解し、治療を選ぶことが大切です。

インプラント

インプラントは、歯を失った部分の骨に人工歯根を埋め、その上に歯をかぶせる方法です。

■メリット

1.よく噛める
インプラントは天然歯の8〜9割程度噛めると言われています。一方、ブリッジは6割程度、入れ歯は2〜3割程度だとされています。

2.見た目が自然
インプラント自体は顎の骨の中に埋まっているので、その部分は通常は見えません。実際に表から見えるのは、セラミックなどの被せ物部分ですので、自然な見た目になります。

3.周囲の歯にダメージを与えない
インプラントは単独で歯を立てられるため、周囲の歯を削る必要がありませんし、入れ歯のように周囲の歯に金具をかけて負担がかかるということもありません。

4.骨が痩せにくい
インプラントは、噛む力が直接骨に伝わるため、骨が吸収しにくいのが特徴です。それゆえ、口元の若々しさを保ちやすくなります。

一方、インプラント以外の治療法の場合、顎の骨の内部に噛む力が伝わりません。そのため、顎の骨が徐々に痩せて減っていってしまいます。

5.お手入れが簡単
インプラントのお手入れ方法は天然の歯の場合とほぼ同様です。それに対し、入れ歯の場合は毎回外して磨く必要がありますし、ブリッジはつなぎ目の部分なども含め、形が複雑で隅々まで磨くのが少し大変です。

■デメリット

1.保険がきかない
インプラントは保険がききませんので、他の治療法に比べ、治療費が高額になります

2.手術をしなければならない
インプラントは人工歯根を顎の骨に埋めこむ手術が必要です。そのため、妊娠中の方や重度の全身疾患などがある方には適用できない場合もあります。

3.治療期間が長い
インプラントは人工歯根と顎の骨と結合する期間が必要です。そのため、治療終了までに通常は数ヶ月必要です。

ブリッジ

ブリッジは、1本か2本歯を失った場合に、両隣の歯を削って、繋がった被せ物を橋をかけるように被せて固定する治療法です。保険治療、自費治療があります。

■メリット

1.保険治療だと安価
ブリッジは保険だと治療費が安く抑えられます。

2.固定式
ブリッジはセメントでしっかりと固定しますので、違和感が少ないのが特徴です。

3.短期間で入る
ブリッジは通常、数回の治療で終了します。

■デメリット

1.健康な歯を削らなければならない
ブリッジの最大のデメリットと言ってもいいのが、周囲の歯をたくさん削ることです。たとえ健康な歯であっても、被せ物をするために多く削らなければなりません。

2.保険の場合、審美的に問題が出ることがある
保険だと安く済ませられるのですが、奥歯は銀歯になってしまうため、審美的な問題が出てきます。

3.顎の骨が痩せる
ブリッジの歯がない部分は、噛む刺激が伝わらないので、顎の骨がだんだんと痩せていきます。

入れ歯

入れ歯
入れ歯は取り外し式の装置で、部分入れ歯と総入れ歯があります。こちらもブリッジと同様、保険と自費があります。歯を1本失った場合から、全て失った場合まで、どんなケースにでも対応できるため、多くの人に選ばれています。

■メリット

1.治療回数が少なくて済む
入れ歯は通常、3、4回の治療でできあがります。

2.保険だと安価
保険の場合、治療費を安く抑えることができます。

3.口元を若々しく見せられる
歯を失うと、だんだんと顎の骨が痩せてしまいます。そうすると、口元がシワっぽくなってしまいますが、入れ歯の場合だと、歯茎の部分が唇に張りを出し、若々しい口元が再現できます。

4.清潔を保ちやすい
入れ歯はご自分で外せるので、汚れを目で見ながらしっかりと落とすことができます。

■デメリット

1.違和感がある
入れ歯は歯茎の上に乗っかっている状態ですので、違和感を感じやすいですが、慣れで解決できる場合も多くあります。

2.噛む力が最も弱い
入れ歯は他の治療に比べ、噛む力を発揮しにくいですが、ぴったり合った入れ歯であれば、大抵のものは問題なく食べられます。

3.部分入れ歯の場合、見た目が悪くなることがある
保険の部分入れ歯の場合、金具が外から見える位置にくることがあります。

4.周囲の歯に負担をかけることがある
周囲の歯に金具がかかる部分入れ歯では、その歯に大きな負担がかかってしまいます。

5.顎の骨が痩せる
合わない入れ歯を長く使用している場合、顎の骨がだんだん痩せてしまいます。


 

歯並びが悪いと、歯が長持ちしなくなる理由

2019年09月8日
歯並びが悪いと、見た目が悪くなるだけでなく歯が長持ちしなくなることがあるのをご存知ですか?歯並びというのは見た目の問題だけと思われがちですが、実はそれ以上に歯の健康にも大きく関わっています。

今回は歯並びが悪いと歯にどんな悪影響を及ぼしてしまうのか、についてご紹介していきます。

歯並びが悪いことによる悪影響

歯並びが悪い女性

歯がすみずみまで磨けない

歯並びがデコボコに重なっていると、歯ブラシは隅々まで当たらず、磨き残しが出てしまいます。一方歯並びがきれいに整っている人は、簡単に汚れを落とすことができます。歯並びが悪いと、どんなに時間をかけて頑張っても限界があり、そこから虫歯や歯周病になりやすいのです。

治療に限界が出てしまう

歯並びが悪いと、虫歯や歯周病の治療をする際に機械や器具が入りづらくなります。そうすると治療にも限界が生じ、正常な歯並びのところを治療するよりも治療の質が格段に落ちてしまいます。

虫歯や歯周病が再発しやすい

虫歯や歯周病の治療をしても、また歯磨きをしっかりと行うことができないため、結局再発しやすくなります。歯並びの悪いところはこのようなことを繰り返されるので、歯はどんどん悪くなってしまいます。

噛み合わせの負担がかかりやすい

歯並びが悪いと、噛み合わせた時に力のかかる部分に偏りが生じ、力がより強くかかる部分に負担がかかり過ぎてしまいます。

過剰な負担がかかると、歯が割れたり、歯周病が進行しやすくなったり、というようなことが起こってきますので、結果的に歯が長持ちしなくなります。

このような理由により、歯並びが悪いと歯が長持ちしづらくなるのです。また、影響はそれだけではありません。歯並びが悪いと見た目が悪くなるのはもちろんのこと、口臭も悪化しますし、顎関節症や頭痛、肩こりといった症状も起こりやすくなり、生活にも支障を起こしやすくなります。

歯並びが悪いと健康も害しやすい

心疾患
歯並びが悪いと歯が長持ちしにくくなったり、様々な悪影響が出ることをご紹介しました。でも、歯並びの影響は体の健康状態にも関係してきます。

歯並びが悪いと歯周病にかかりやすくなりますが、歯周病は体の様々な病気を引き起こすことがわかっています。そのため、歯並びが悪いとそれらの病気を起こす可能性も高くなってしまうということが言えるでしょう。

歯周病が関係していると言われている病気には次のようなものがあります。

心疾患

歯周病菌や歯周病菌が出す毒素は血液中に入り、感染性心内膜炎を起こしたり、血管に血栓を詰まりやすくさせて、心筋梗塞や狭心症の原因となることがわかっています。

脳梗塞

歯周病菌やその毒素が脳の血管を詰まらせて脳梗塞の原因になることもわかっています。

糖尿病

糖尿病にかかると、歯周病を発症しやすくなります。また最近、歯周病にかかっていると糖尿病を悪化させることもわかってきました。

誤嚥性肺炎

高齢者は反射機能が落ちるため誤嚥を起こしやすく、お口の中の歯周病菌が唾液や食べ物と一緒に肺に入り込んで肺炎を起こすことがあります。それが原因で寿命を縮めてしまうケースが大変多くみられます。

早産・低体重児出産

妊娠中の女性が歯周病にかかっていると、歯周病菌やその毒素により早産や低体重児出産を起こしやすくなることがわかっています。

このように、歯並びが悪いことは、見た目だけの問題ではなく、健康にも大きく関わり、生活の質に大きな影響を与えます。つまり、歯並びが良いと見た目が良いだけでなく、歯を一生健康に保てる可能性が高まり、全身の様々な病気を未然に防げる可能性まで出てくるのです。

歯並びはいつからでも治すことが可能です。歯並びが悪い方は、ぜひ健康のためにも、一度、矯正治療を検討して見られることをオススメします。


 

ストレスで虫歯や歯周病が悪化するってホント?

2019年08月26日
ストレスが色々な病気の原因になっていることは皆さんもご存知かと思います。でも、ストレスが虫歯や歯周病を悪化させたり、ひいては歯を失うことにも繋がるのをご存知ですか?

ストレスで口の中にも変化が起こります

ストレスで口に違和感を覚える女性
胃潰瘍や自律神経失調症、うつ病というような病気は、ストレスとの関連が強いことで知られています。身近な例では、不安や緊張を感じるとお腹が痛くなる、というような現象、これもストレスが体に影響を与える例だと言えるでしょう。

このように、体と心というのは密接に関係しています。心理的なストレスというのは体にも影響してくるのです。お口の中の病気である虫歯や歯周病も例外ではありません。

それでは、ストレスがお口の中に与えるメカニズムについて見ていきましょう。

ストレスが虫歯や歯周病を悪化させるメカニズム

ストレスで唾液の分泌が減る

強いストレスを感じると、自律神経のうちの交感神経が優位な状態となります。そうすると、体が興奮した状態となり、唾液の分泌が減ってお口の中が乾いた状態となります。

口の中は唾液で満たされているのが健康的な状態であり、唾液が少なくなると、様々な弊害が起きてきます。

唾液には様々な作用があり、お口の中の細菌を洗い流す「自浄作用」、雑菌の繁殖や発育を抑える「抗菌作用」、免疫力に関わる「免疫作用」、食後に酸性に傾いた唾液を中和する「緩衝作用」、虫歯菌が出す酸に溶かされ始めた歯の表面を修復する「再石灰化作用」、歯にペリクルと呼ばれる保護膜を形成する「保護作用」というものがあります。

唾液が少なくなると、このような唾液の大事な機能が働かなくなるということにつながります。私たちの歯は、実は常に唾液に守られているのであり、その唾液がなくなってしまうと、たちまちのうちに虫歯菌や歯周病菌にやられてしまう恐れがあるのです。

ストレスで歯ぎしりをしてしまう

歯ぎしりはストレスによって引き起こされることがわかっています。歯ぎしりはただギリギリ歯をこすり合せる動作なのではなく、実は普段食事で噛む際の数倍もの力が歯に持続的にかかります。

それゆえ、歯に与えるダメージというのは非常に大きく、放置すると歯に亀裂が入ってその部分から細菌が内部に入り込んで虫歯ができたり、ひどい場合には歯が真っ二つに破折することもあります。

また、歯に強い力がかかり続けると、歯の周囲組織にもダメージが加わることになります。そうすると、歯を支える骨がダメージによって吸収してしまい、下がってしまうことにつながります。もしその歯が歯周病にかかっている場合、歯周病による骨の吸収を一気に進めてしまう恐れがあります。

ストレスで免疫力が低下する

ストレスは体の血管を収縮させ、血行を悪くさせてしまいます。血管の中には白血球やリンパ球というような免疫に関わる成分が含まれており、血行が悪くなることで免疫力が落ちてしまいます。

虫歯や歯周病というのも細菌による感染症であり、免疫力が落ちるとかかる危険性が高まります。

ストレスのコントロールが大事

マウスピースを装着する女性
ストレスというのは過剰になると、体に害を起こす危険性が高まります。ですが、生きていく上でストレスを全く感じないということは不可能です。むしろ適度なストレスがなければ張り合いも何もない人生になってしまうでしょう。

ただ、ストレスが過剰な場合は、体が悲鳴をあげる前に、ストレスをどうにかして解消したり、和らげる必要があります。ストレスから病気になってしまうと、余計にストレスを抱えることになり、悪循環になってしまうからです。

そうならないようにするためには、1日に少しでもリラックスできる時間を作って自律神経のバランスを整えることが大事です。

歯ぎしりは、ストレスが減ることで改善する可能性がありますが、歯ぎしり自体もストレスを解消する体の反応だと言われています。そのため、そういう観点から言えば、歯ぎしりは悪いこととも言えないのですが、でもやはり強い力がかかり続けることによって歯にとっては相当なダメージとなることは否定できません。

そのため、歯ぎしりがひどい場合には歯や歯の周囲組織を守るように、夜間に装着するマウスピースを入れることをおすすめします。こちらは保険適用で作れますので、歯ぎしりが気になる方はご相談ください。


 

入れ歯が落ちる、外れる場合の原因と対処法

2019年08月19日
入れ歯の悩みの中でも、「落ちてくる、外れる」というのはとても深刻な問題です。入れ歯が落ちてくると、食事がしにくいだけでなく、人と話すのも億劫になってしまいます。

入れ歯が落ちたり外れたりする、という場合、必ず何らかの原因があります。どのような原因があるのか、また対処法について見ていきましょう。

入れ歯が落ちる、または外れる原因

入れ歯が合わず悩む女性
入れ歯が落ちる・外れる原因は部分入れ歯なのか、総入れ歯なのかによっても違ってきます。

部分入れ歯が落ちる・外れる原因

■入れ歯の金具がゆるい、合っていない

部分入れ歯では、残存歯にクラスプと呼ばれる金具を引っかけて入れ歯を安定させます。でも使用していくうちに、クラスプがだんだんとゆるくなってきて、入れ歯が落ちたり、外れやすくなります。また、クラスプ自体が変形してしまっている場合も同様に、入れ歯がきちんと固定されず、入れ歯が落ちたり外れたりする原因になります。

総入れ歯が落ちる・外れる原因

1.入れ歯が小さすぎる

総入れ歯の場合の安定は、粘膜にいかに吸着するかによって決まります。そのため、入れ歯が粘膜を覆う面積が小さいと、吸着力が弱くなり、外れてしまう原因になります。

2.入れ歯が大きすぎる

逆に入れ歯が大きすぎても、外れる原因になります。入れ歯が大きすぎて、粘膜の動く部分に乗ってしまっていると、口を動かすたびに粘膜も動いて外れてしまいます。

3.噛み合わせに問題がある

お口の中のどこか一箇所でも噛み合わせが悪いと、噛んだ時にバランスが崩れて外れる原因となります。

4.歯茎がやせて合わなくなる

長期間入れ歯を使っているほど、顎の骨が吸収し、歯茎もそれに伴い、やせてきます。そうすると、入れ歯の内側との隙間ができてくるため、吸着が悪くなって外れやすくなってしまいます。

5.入れ歯の人工歯の位置が悪い

入れ歯の人工歯の位置が悪くても外れることがあります。例えば人工歯が内側に寄り過ぎていても、外側に寄り過ぎていても、外れやすくなります。前歯が出っ歯になっている場合も外れやすくなります。バランスのとれた位置に歯が並んでいることが大切です。

6.唾液が少ない

入れ歯と粘膜を吸着させるのに唾液は大きな役割を果たしています。唾液が少ない乾いた粘膜だと吸着しにくくなってしまいます。

入れ歯が落ちる、外れる・・・そんな場合の対処法

入れ歯
入れ歯が落ちる・外れる場合、原因によって対処の仕方が変わります。原因に応じて次のような対処法があります。

部分入れ歯の場合

部分入れ歯が落ちたり外れたりする場合、入れ歯を安定させるための金具がゆるんでいることがほとんどです。そのような場合、ゆるんだクラスプを調整する、もしくはクラスプの交換をすることで、安定させられます。

総入れ歯の場合

■入れ歯の大きさが不適切な場合

入れ歯が大きすぎる、もしくは小さすぎても入れ歯が落ちたり外れたりする原因となります。大きすぎる場合には邪魔になる部分を削る、小さい場合には材料を足したり、入れ歯を作り直したりすることで解決します。

■噛み合わせが不適切な場合

入れ歯を外れやすくさせるような歯の異常な当たりを調整すれば、外れにくくなります。

■歯茎がやせて、入れ歯の内面と合わなくなっている場合

入れ歯を長く使っていると、歯茎がやせて入れ歯の内面との間に隙間ができ、外れやすくなります。このような場合、入れ歯の内面に材料を足して歯茎にぴったりと合わせることもできますが、入れ歯自体が古くなっているケースでは、作り直したほうが良い場合もあります。

■入れ歯の人工歯の位置に問題がある場合

この場合は歯を良い状態に配置した入れ歯を作り直す方が良いでしょう。

■唾液が少ないのが原因の場合

口の中の乾燥を起こしている原因を探り、原因となる病気や薬の副作用などがあれば、それに対する対処をかかりつけの医師と相談させていただくことがあります。唾液分泌は唾液腺のマッサージなどで改善することもありますが、なかなか改善が難しい場合には人工唾液といったものを使用する方法もあります。

当院では、十分に時間と手間をかけてお作りするオーダーメイド義歯を作製しています。入れ歯でお悩みの方はぜひご相談ください。

 

歯茎が下がってきたかも、というあなたへ…原因と対策

2019年08月12日
「最近歯が長くなった気がする」というような方はいらっしゃいませんか?こんな場合、歯茎が下がってきている可能性があります。歯茎が下がると、見た目が悪くなってしまうだけでなく、様々な不快症状も出てきます。歯茎が下がる原因と対策について見ていきましょう。

歯茎が下がる主な原因

鏡で歯茎を見る女性

歯周病

歯茎が下がる原因で最も多いのが歯周病です。歯周病にかかると骨が破壊されてしまいますので、それに伴い歯茎も下がっていきます。

乱暴な歯磨き

歯磨き時に力を入れてゴシゴシ磨いていると、歯茎にダメージが加わり、歯茎が下がる原因になります。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、歯を支えている歯の周囲組織に過剰な負担がかかって骨が吸収し、それに伴い歯茎も下がってきます。

詰め物や被せ物の不適合

詰め物や被せ物がぴったり合っておらず、歯との境目に段差があると、歯茎に炎症を起こして歯茎が下がってしまうことがあります。

不正咬合

歯並びがガタガタになっているような場合、外側に位置している歯の前面にある骨が薄いため、骨が下がりやすい傾向があります。

加齢によるもの

加齢によっても少しずつ歯茎は下がる傾向があります。

歯茎が下がると起こってくること

歯茎が下がると次のようなことが起こる可能性があります。

知覚過敏

歯茎が下がり、歯根が露出してくると、歯の知覚過敏を引き起こすことがあります。とくに冷たいものでしみるケースが多く見られます。

露出した歯根が虫歯になりやすくなる

露出してきた歯根の部分には、もともと歯茎の上に出ている部分のようなエナメル質が存在しません。そのため、虫歯に対する抵抗性が弱く、虫歯にかかりやすくなります。

歯と歯の間にものがつまりやすくなる

歯茎が下がると、歯と歯の間の下の部分に隙間が空いてきます。そうすると、この部分に食べ物がつまりやすくなります。

見た目が老けて見える

歯が長くなると、見た目的に老けた印象を周囲の人に与えてしまいます。

歯茎下がりへの対策

歯ブラシ

セルフケア(ご自宅でのケア)

■歯ブラシは硬すぎないものを選ぶ

歯ブラシによる歯へのダメージを避けるため、歯ブラシは「ふつう」か「やわらかめ」を選び、「かため」は選ばないようにしましょう。

■やさしくブラッシングする

グーで歯ブラシを持ってゴシゴシ磨くではなく、ペンを持つように歯ブラシを持ち、あくまでソフトタッチで磨くようにしましょう。

■フロスの使用

歯間部の汚れを落とし、隅々まで磨くためにも、1日1回はフロスを通すことが大切です。

■歯ぎしり対策マウスピースを装着する

夜間に歯ぎしりがある人は、就寝中に歯を保護するマウスピースをつけると、歯にかかる歯ぎしりのダメージから歯や歯の周囲組織を守ることができます。マウスピースは歯科での保険診療で作ることができます。

プロケア(歯科医院でのケア)

■歯肉移植

歯茎が失われた部分に、他の部分から切り取った歯茎を移植する「遊離歯肉移植術」とよばれる方法があります。

■歯周組織再生療法

骨などの歯周組織そのものから再生させる方法もあります。GTR法やエムドゲイン法といった方法があります。

■知覚過敏に対するケア

歯茎が下がって知覚過敏が出ている場合には、しみ止めを塗る方法もあります。

歯茎下がりは「下がる前に」気をつけることが大切

下がった歯茎を自然に元どおりに回復する方法はありません。手術という方法もないわけではありませんが、100%確実な方法ではありませんので、できればそうなってしまう前にしっかりと対策をたてておくことが大切です。

歯茎が下がる原因は、多くの場合歯周病ですので、まずは歯周病が進まないよう歯周病ケアをしっかりと行うことをおすすめします。その際、歯周病ケアのために歯磨きが欠かせませんが、くれぐれも歯茎を傷めて下げてしまうことのないよう、力任せにゴシゴシと磨くのは避けましょう。

歯周病予防のためには正しい磨き方で磨くことが必要不可欠です。ついつい自己流の歯磨きになってしまいがちですので、時々歯科医院で歯磨きの仕方をチェックしてもらい、ブラッシング指導を受けると良いでしょう。

 

歯のトラブルが起こりやすい妊娠中の歯科への関わり方

2019年08月6日
妊娠中は歯のトラブルが起きやすいことをご存知ですか?妊娠中はつわりで食生活が大きく変化したり、歯磨きが気持ち悪くてできなかったり、というような理由でお口の環境が悪くなりがちです。そして、それに加え、女性ホルモンが急激に増えることにより、歯周病のリスクが大きく高まります。

妊娠中はなるべく体にストレスを与えたくないので、歯科治療は避けたいと思われる方もいるかもしれません。ですが、お口の環境が悪い状態を放置していると、母体のみならず、赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があります。今回は妊娠中の歯科への関わり方についてご紹介していきます。

妊娠中に歯の治療は大丈夫?

妊娠中の女性
妊娠中であっても、治療の時期を選べば、大抵の治療は受けていただくことができます。むしろ、悪くなっている歯を放置していると、さらに状態が悪化し、母体や赤ちゃんに大きな負担がかかってしまう恐れがあります。

健やかなマタニティ生活を送っていただき、赤ちゃんの健康を考える上でも、極力ストレスのかからない治療で済ませられる、軽度の段階で治しておく事が大切です。

ただし、治療のリスクをなるべく避けるためにも、妊娠している旨、妊娠した旨は必ず歯科医に伝えておきましょう。

歯科治療に適している時期

歯科治療を受ける時期は、安定期(5ヶ月〜8ヶ月)が最も適しています。簡単な治療や、ストレスのかからない治療であれば、安定期でなくても可能ですが、なるべくストレスを避けるために、本格的な治療は安定期まで待ってから行う場合もあります。

ただし、すでに痛みがあったり、緊急を要する場合には、痛みのストレスそのものが胎児に悪影響を及ぼす可能性がありますので、産婦人科医と相談の上、治療をせざるを得ない場合もあります。

出産後に治療といっても、なかなか赤ちゃんに手がかかって通院できない場合も多いものです。できれば妊娠中の時間に余裕があるうちに、悪いところは痛くなくても治しておきましょう。

妊娠中の麻酔やレントゲン、お薬について

レントゲン、CT
歯科の麻酔は、麻酔をかけた部分にのみ作用する局所麻酔ですので、直接胎児に影響が及ぶことはありません。むしろ、麻酔をせず痛みを我慢する方がストレスとなり、胎児にもよくありません。

歯科のレントゲンに関しては、撮影の際にお腹を保護する防護エプロンをつけますし、腹部には直接当たりませんので、心配はいりません。ですが、通常は必要最低限の撮影にとどめます。

また、痛み止めや化膿止めの薬に関しても、必要に応じて産婦人科医に相談の上、妊娠さんに安全性の高いものを投薬しますので、過度に心配する必要はありません。

お母さんの虫歯や歯周病は胎児にも影響を及ぼす

お母さんの虫歯や歯周病は赤ちゃんにも悪影響を及ぼすことがわかっています。

■お母さんの虫歯が赤ちゃんに与える悪影響

虫歯菌というのは、生まれた後、周囲の人から赤ちゃんへ感染します。赤ちゃんにもっとも虫歯菌をうつす可能性のあるのは、通常、赤ちゃんと接することの一番多いお母さんです。

お母さんの口にたくさん虫歯があると、それだけ赤ちゃんへ虫歯菌をうつすリスクが高くなります。そのため、赤ちゃんが生まれる前にできるだけ虫歯は治しておく事が大切です。

■お母さんの歯周病が赤ちゃんに与える影響

お母さんが歯周病にかかっていると、歯周病菌が出す毒素が血管を巡って子宮収縮をうながし、早産を引き起こす可能性がある事が分かっています。

また、歯周病菌が胎盤に感染すると、胎児の発育を妨げてしまい、低体重児出産の原因になるとも言われています。重度の歯周病にかかっている人は、歯周病にかかっていない人に比べて、早産や低体重児出産の危険性が7倍にも増すと報告されています。これは喫煙が起こす危険性と同じくらいのレベルに相当します。

妊娠中は女性ホルモンの急増により、女性ホルモンを餌とする歯周病菌が爆発的に増え、その影響で歯周病が悪化する事が分かっています。そのため、妊娠中にはより一層、ご家庭と歯科医院での歯周病ケアが大切になってきます。


 

虫歯は自然治癒するって本当?歯の再石灰化で歯を守りましょう

2019年07月28日
虫歯は軽いうちに治療したほうがいい、と言われますが、最近ではごく初期の虫歯の場合、積極的に虫歯治療をせず、様子を見るというのが歯科界の常識になってきています。

まだ穴のあいていないごく初期の虫歯の場合、歯の再石灰化という働きにより虫歯が治るということがわかってきたから、というのがその理由です。

ただし、歯の再石灰化がうまくいかないと、虫歯ができてしまいます。今回は歯の再石灰化を起こしやすくする方法についてご紹介していきます。

歯は溶けたり修復したり、というのを絶えず繰り返している

虫歯
実は、歯というのは、飲んだり食べたりするたびに、溶かされたり修復されたり、ということを繰り返しています。

口の中に飲食物が入ると、口の中が酸性に傾いてミネラル成分が溶け出してしまい、その後、唾液の持つ働きにより、唾液中のミネラル成分が歯に沈着する、というのがそのメカニズムです。

歯が溶かされる現象を「脱灰(だっかい)」、歯にミネラル成分が沈着することを「再石灰化」と呼んでいますが、この両者のバランスは、食生活や生活習慣によって大きく変わってきます。

脱灰と再石灰化が良いバランスで行われれば、虫歯へと発展することはありませんが、脱灰のスピードが再石灰化よりも速ければだんだんと歯が溶かされ、いずれ歯に穴があいて本格的な虫歯へと進展してしまいます。

穴のあいた本格的な虫歯になってしまうと、もはや様子を見ておくわけにはいきません。そうなってしまった場合には、できるだけ早い段階で、虫歯を削って詰めるという治療が必要になります。

歯の再石灰化を起こしやすくして、虫歯を防ぐ方法

フッ素入り歯磨き粉
歯の再石灰化を起こしやすくして、虫歯を防ぐためには次のようなことに気をつけると良いでしょう。

間食に気をつける

食事以外にものを食べることが多く、口の中に食べ物や飲み物が入っている時間が長いほど、その分お口の中が酸性に傾く時間が多くなり、歯が溶かされやすくなります。間食はしたとしても、だらだらと食べ続けることを避け、短時間に済ませればそれほど問題はありません。

1日に2回は歯磨きをする

できれば、朝、昼、晩の3回、食後に歯磨きをするのが理想的ではありますが、最低でも朝と夜の1日2回は歯磨きをするようにしましょう。特に、夜眠っている間には唾液の分泌が落ちて虫歯のリスクが大幅に高まりますので、寝る前の歯磨きは欠かさず、丁寧に行うことが大事です。

唾液を出すことを心がける

歯の再石灰化を起こす唾液を出すことは必要不可欠です。唾液が少ないと、歯を修復することができません。唾液を出すためには、食べる際にしっかりと噛んで唾液線を刺激することが大切です。

最近では、よく噛まなくても食べられるようなやわらかい食べ物が溢れているため、唾液の分泌がうまく行われずに、ドライマウスの症状を訴える人が多くなっていると言われています。

フッ素を積極的に活用する

フッ素は歯の再石灰化を助け、歯を強くしてくれる効果があります。家庭での歯磨きの際にはフッ素配合の歯磨き粉を使用し、歯の再石灰化を積極的に起こすように心がけましょう。

また、お子さんや、初期虫歯があるというような虫歯リスクが高い人は、定期的に歯科医院で高濃度のフッ素を塗布することで石灰化が促され、歯を虫歯から守ることができます。

歯科で初期虫歯と診断された場合、削らずに経過観察となるのが一般的ですが、油断は禁物です。しっかりとケアを行わなければ、虫歯が進行して本格的な虫歯になってしまう危険性があるため、以上のようなことに気をつけ、定期的に歯科での検診やケアを受けるようにしましょう。


 

歯茎に白いニキビのようなものが・・・これって何?

2019年07月21日
歯茎に白いニキビのようなものができることがあります。このようなものを見つけると、「口内炎かな?」と思う人が多いようです。でも、もしそれがなかなか消えない場合、口内炎ではなく、歯が原因かもしれません。今回は、なかなか治らない、歯茎にできる白いニキビのようなものの正体についてご紹介していきます。

歯茎にできる「白いニキビのようなもの」の正体とは

歯茎にできる「白いニキビのようなもの」の正体とは
歯茎に現れる白いできものとしては、口内炎、粘膜の病気の可能性も考えられます。でもそれが、歯に何らかの異常が起こった結果膿がたまり、その膿の出口を作った「フィステル」という場合であることが結構あります。

フィステルというのは、膿が排出される通路のことをいいます。歯に問題が起こると、周囲に膿をため、歯茎からその膿を排出しようとするのです。そのため、このような場合には原因となっている歯をしっかりと治療しなければ、歯茎の異変もおさまることはありません。

フィステルを起こす歯の異常としては、主に次の3つが挙げられます。

根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)

これは、歯根の先端部分に膿が溜まっている状態で、主に神経を処置済みの歯の歯根内部に細菌が繁殖し、歯根周囲の骨を溶かして膿をためている状態です。

膿が溜まっていて、その膿の逃げ場がないと、圧が高まって痛みを出すことがありますが、歯茎から排出されれば、それほど痛みを感じることはありません。

ただし、痛みを感じることはないと言っても、感染は起こっている状態であり、放置しておけば骨がさらに破壊されてしまうため、根の治療が必要になります。

歯根破折(しこんはせつ)

歯根にヒビが入ったり、折れてしまったりすると、その部分に細菌感染が起こり、周囲に膿が溜まってきます。

歯根に穴があいている

根の治療の際に、器具によって歯根の壁に穴が開いてしまった場合、その部分に細菌感染が起こって膿を溜めることがあります。

歯茎に白いニキビのようなものができたら

歯茎に白いニキビのようなものができたら
歯茎に白いニキビのようなものができてしまった場合、触ったり、食事の際に強い痛みがあったりする場合には、口内炎のような粘膜の病変の可能性が高いと言えるでしょう。

口内炎の場合には長くても1〜2週間くらいで自然におさまりますので、様子を見ても特に問題はありませんが、それほど強い痛みがなくてなかなか治らず、中から膿が排出されるような様子があるならば、フィステルの可能性が高くなります。

フィステルの場合には、単なる粘膜の問題ではありませんので、口内炎のように自然に治ることはありません。膿が排出された後は治ったように見えることもありますが、また膿がたまると繰り返し同じ場所に現れます。

フィステルの場合、結局は歯の治療をしなければ治ることはありませんので、たとえ痛みがないからといっても放置することのないようにしましょう。もしフィステルが疑われるような場合、早めに歯医者を受診し、早めに治療を受ける事で、大事な歯をより長く残すことができる可能性が高くなります。

 

歯が抜けるだけではない…歯周病の本当の恐ろしさ、知っていますか?

2019年07月14日
歯周病は歯を失う病気としてはよく知られていますが、「命に関わるわけではないから」と、あまり注意をしない人が多いのが現状のようです。でも、実は歯周病がただ「歯が抜けてしまう」だけの病気ではなく、もっと恐ろしいことを引き起こすことをご存知ですか?

歯が抜けること」以外にもある歯周病の恐ろしさ

口臭が気になり口を手でおおう女性
歯周病は歯が抜けること以外にも次のような恐ろしいことがあります。

ひどい口臭

歯周病はひどい口臭を引き起こします。その原因として、歯周病によってできた歯周ポケットの奥に住みつく歯周病菌の出すガスや、歯茎から出てくる膿が挙げられます。歯周病がひどくなればなるほど、歯磨きをしても口臭を消すのは困難になります。

また、口臭の困った点として、自分自身は匂いに慣れてしまっているので、自分が気付きにくいということが挙げられます。自分が気づかないうちに周囲にひどい口臭を撒き散らし、人間関係にも影響してくることも珍しくありません。

歯並びが崩れてくる

歯周病になると、歯の支えが弱くなり、歯が動きやすくなります。そのため、だんだんと歯の位置がずれて、前歯の隙間が空いてすきっ歯や、出っ歯になってくる、ということも起こってきます。

命に関わる病気を引き起こす

歯周病は歯の周囲の組織を破壊してしまうだけでも十分に恐ろしいですが、歯周病をひきおこす細菌は、血管に入り込んで全身の病気を起こす原因にもなっていることがわかってきています。歯周病が原因となって起こる病気としては、次のようなものが報告されています。

■糖尿病

糖尿病にかかると、免疫力の低下により、歯周病にもかかりやすくなります。ですが最近、それだけではなく、歯周病の人は糖尿病が悪化しやすいという逆の関係性もわかってきており、歯周病と糖尿病との密接な関係が注目されています。

■心臓疾患

歯周病細菌が心臓の心内膜に付着すると、「細菌性心内膜炎」の原因となります。また、歯周病菌は血管内部に付着して血管を狭くしてしまったり、血栓を作りやすくしたりします。そして、そのことが原因で、心筋梗塞や狭心症を引き起こすことがあります。

■脳梗塞

歯周病細菌が脳の血管内に付着すると、血管を狭くして血栓を作り、脳梗塞を起こすことがあります。

■誤嚥性肺炎

高齢になるに連れ、気管の反射機能が衰えてきます。そうすると、口腔内の細菌が、誤って肺の方へ入りやすくなり、誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。実際、誤嚥性肺炎を起こす細菌の正体は、多くの場合歯周病細菌であることがわかっています。

■低体重児出産・早産

妊婦が重度の歯周病にかかっていると、お腹の赤ちゃんにも低体重児出産や早産のようなリスクを起こすことがわかっています。これは、歯周病菌が血液中に入り込み、胎盤を通過してしまうことが原因だと考えられています。

■肥満・メタボリックシンドローム

肥満やメタボリックシンドロームの人は歯周病にかかっていることが多い、ということが報告されています。その原因として、歯周病細菌の出す毒素が、肝臓や脂肪組織に脂肪を蓄積させやすくなることが指摘されています。

■アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症の人の脳からは、高い頻度で歯周病細菌の出す毒素が検出されることがわかっていることから、その関係性が疑われています。

歯周病を予防することが体の健康にもつながります

歯ブラシ、フロス
歯周病によって歯を失うだけでなく、命に関わる病気まで引き起こす可能性があることをお分かりいただけたことでしょう。でも、裏を返せば、歯周病ケアをすることで全身の様々な病気を予防することができるということでもあります。

歯周病は予防することが可能な病気です。意識して、自宅でのケアを丁寧に行い、歯科医院で定期的ケアをしっかりと行えば、十分に予防することは可能です。

でも、もしすでに歯周病にかかっているとしても心配はいりません。歯周病は進行性の病気ではありますが、適切なケアを継続していくことで、進行を止めることは可能です。皆さんもぜひ、歯を長持ちさせるためだけでなく、健康を維持して健やかな毎日を送るためにも、歯周病ケアに力を入れていきましょう。


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