徳島大学歯学部卒業後、愛知県大府市にてこころ歯科クリニックを開院。マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を歯科治療に利用し、またそれに関する講演も行っている。
銀歯は主に「歯科鋳造用金銀12%パラジウム合金」と呼ばれる、さまざまな金属を混合させた合金が使用されています。金12%、銀40%、パラジウム20%、銅12%~20%を混ぜ合わせることで、強度に優れた硬い補綴物である銀歯を作ることができるのです。
しかし、銀歯を使用する国は数なく、先進国である日本ではありますが、矯正治療同様に、「銀歯を使用することは」世界からは遅れをとっていると言われています。
では、なぜ日本をのぞく各国は、銀歯を使用しないのでしょうか。
銀歯は、ご紹介したように複数の金属を混ぜ合わせた補綴物です。銀歯をかたどった歯の形状に合わせ精巧に制作しても、銀歯と歯の間にμ単位(ミクロン)程の肉眼ではわからないほどの隙間ができてしまいます。そのμ単位(ミクロン)の銀歯と歯のわずかな隙間から虫歯菌が侵入し、銀歯で覆われ残っていた歯が更に虫歯にむしばまれ、虫歯となってしまう場合があり、また銀歯の銀イオンが、お口の中で少しずつ溶かされ、体内で蓄積されていき、金属アレルギーを発症してしまうリスクもあり、各国では銀歯の使用が見直されています。
この虫歯を二次虫歯とよび、補綴治療をおこなった歯が二次虫歯となってしまう確率は思いのほか高く、お口の中は高温多湿であり、劣悪な環境下に置かれていることからも、歯科学会の調査報告によると、銀歯の耐久性年数は約5年と考えられています。
日本では、1939年に金銀パラジウム合金の使用が認可され、およそ80年の間、銀歯は多くの人々が利用する保険診療の補綴物として、使用されています。
近年では前歯や小臼歯に補綴物を装着する場合は、金銀パラジウム合金などの金属に硬質レジンを貼り付けた補綴物である硬質レジン前装冠(前歯)や硬質レジンジャケット冠(主に小臼歯)などの補綴物を保険診療で装着することが可能となりました。
しかし、臼歯(奥歯)は前歯よりも噛む力が歯に負担をかけるために、保険診療では、耐久性のある銀歯が適用されています。奥歯なので一見、見えにくい部位とはなりますが、大きく口を開けるシチュエーションなどでは、口をあけることに抵抗を覚える人も見受けられます。
また、補綴物を装着するセメントも、近年では歯の色と見分けがつかないほどに精巧になっていますが、肉眼で除去することが困難な場合も多く、セメントが歯肉炎を引き起こすリスクを限りなくゼロに近づけるために、マイクロスコープで治療部位を拡大し、除去をおこないます。
金12%、銀40%、パラジウム20%、銅12%~20%の合金でつくられています。強度に優れ、比較的安価で装着することが可能です。
金属の土台に硬質レジンを焼き付けます。見た目は白い歯となりますが、裏側は金属です。硬い物を噛んでしまうと欠けてしまう場合があります。
金属は使用せずに、硬質レジンのみで形成されているため、どこからみても白い歯であり、審美的にも優れています。金属を一切使用していないため、金属アレルギーの心配もありません。
セラミックのみで形成されている、クラウンです。見た目は天然の歯に近く、金属を使用していないために、透明感のある白い人工歯となります。金属を一切使用していないため、金属アレルギーの心配もありません。
歯の表面を薄く削り、その表面に希望の色のセラミックを選択し、貼り付けます。歯を削る量は補綴物に比べるとごくわずかであり、短期間で治療を終えることが可能です。金属アレルギーの心配もありません。
歯に近い色をしているため審美性に優れ、歯とセラミックインレーの強度が近いために、噛んだ時に歯とセラミックインレーに均一に力が加わり、自身の歯にかける負担を少なくすることができます。金属アレルギーの心配もありません。
今回は、審美歯科についてご紹介してまいりました。審美歯科治療をおこなった綺麗な口元は、コンプレックスを解決できたり、人の印象をよくするだけでなく、二次虫歯を防いだり、身体への影響も軽減することができ、審美歯科の需要はこの先も大きくなると考えられています。正しい審美歯科の知識を備え、治療法を選択しましょう。
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