歯科コラム

Column

歯科医が教える 歯についての豆知識

この記事を書いたのは…
畑 伸二郎
こころ歯科クリニック 院長 畑 伸二郎

徳島大学歯学部卒業後、愛知県大府市にてこころ歯科クリニックを開院。マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を歯科治療に利用し、またそれに関する講演も行っている。

 

歯の色、人によって違うのはどうして?

2019年04月5日
歯の色は人によって様々ですね。子供の時は白かったのに、なぜ歯の色が変わってしまうのだろう?と思っている人もいるのではないでしょうか。歯の色がコンプレックスになって、歯を白くするホワイトニングを受ける人も増えてきています。歯の色が人によって違うのはなぜなのか見ていきましょう。

歯の色は人種によって違う?

歯の色は人種によって違う?
欧米人の歯の色は白いと感じたことはありませんか?欧米ではホワイトニングがとても盛んであることも一つの理由ではあるでしょうが、そもそも歯の色というのは実は人種によっても異なります。一般的に、黄色人種は白人や黒人と比べ、歯が黄色いです。

これはなぜかというと、白人や黒人は歯のエナメル質の厚さが厚く、そしてエナメル質の下の象牙質の色が薄いためです。象牙質の色はもともと黄色っぽい色をしていますので、それが濃いほど、また、その外側にあるエナメル質が薄いほど、歯の色は黄色っぽく見えてしまうわけです。

歯の色は乳歯と永久歯では違う?

乳歯から永久歯に生え変わる時、永久歯の色が黄色っぽくて心配になってしまう親御さんが時々おられます。でもそもそも、実は乳歯の色と永久歯の色は違うのです。乳歯はやや青みがかかった白色、永久歯は黄色みがかかった白色をしているのが普通です。そのため、永久歯の色が乳歯よりも黄色いからといって、通常は心配いりません。

歯の色が昔と変わった。原因はなぜ?

歯の色が昔と変わった。原因はなぜ?
乳歯から永久歯へと変わる際に歯の色が変わった、という場合は別として、永久歯そのものの歯の色がだんだんと変わった場合、次のようなことが主な原因になっています。

加齢

加齢現象として、歯の神経が入っている空間が縮小し、それに伴い象牙質は厚みを増します。その分象牙質の黄色味が増し、また歯の再表層のエナメル質もだんだんと様々な刺激により薄くなるため、より一層黄色さが目立つようになります。さらには、加齢につれ、歯の表面に細かなヒビが入り、そのヒビに色素が入り込むことも歯の色を濃くさせる原因だと考えられます。

神経を抜いた

虫歯が進行して歯の神経を抜いた場合、年数が経つにつれ、歯の色がだんだんと黒ずんできます。神経の周囲の象牙質には、コラーゲンが含まれていますが、神経の処置をすると血液循環がなくなってしまうため、このコラーゲンが古くなってしまい変質します。その後時間が経つにつれて変色し、歯の色が変わっていってしまうのです。そのため、年数が経つにつれ、だんだんと歯の色が変わっていってしまいます。

歯をぶつけて神経が死んだ

神経を抜いた覚えがないのに、周囲の歯に比べて1本だけ歯の色が黒い、という場合、過去に歯を強くぶつけたなどの衝撃で歯の神経が死んでしまっている可能性があります。歯をぶつけた際の内出血、そして、神経が死んで歯の内部の血液循環が行われなくなることにより、周囲の象牙質のコラーゲンが変質してしまい、歯がだんだんと変色していきます。

ステインやタバコのヤニ

ステインというのは飲食物による着色のことです。このような着色は、色の濃い食べ物やお茶やコーヒー、赤ワインなどを好む人ほど多く見られます。タバコのヤニはヘビースモーカーの人ほどつきやすいと言えるでしょう。

うがい薬などの影響

グルコン酸クロルヘキシジン系の洗口剤を使っている場合、長く使用していると、歯の表面に茶色っぽい着色が起こることがあります。

酸蝕症

酸蝕症というのは、酸性の強い飲食物のせいで歯が溶けてしまう現象を言います。私たちは日常生活で多くの酸性食品を口にしています。酢や、柑橘類、清涼飲料水、炭酸飲料などがその例です。特に健康に良いと言われている食品には酸性のものが多く、そのようなものを長年多く摂り続けていると、だんだんと歯の表面が溶かされ、象牙質が露出して歯が黄色く見えるようになってきます。

咬耗

咬耗というのは、歯と歯が擦れ合って磨り減ることです。これは加齢現象でも起こりますが、歯ぎしりや食いしばりがひどい人には特に起こりやすく、咬耗の度合いが酷いと、歯の象牙質が見えてくるため、歯の色が濃く見えるようになってきます。

詰め物の変色

歯の色が変わってきた、と思っていたら実は過去につめたプラスチックの詰め物の変色だった、という場合もあります。プラスチックは表面に傷がつくのと、吸水性があるため、だんだんと月日が経つにつれて黄ばんできます。

歯がだんだん変色してきた場合の対処法

だんだんと変色してきた場合、原因によって対処法が異なります。単なる外部からの着色であれば、歯医者でクリーニングをすれば元の白さをある程度取り戻せます。加齢などが原因で歯の色そのものが変色してしまっている場合にはクリーニングでは白くなりません。そのような場合にはホワイトニングが適しています。神経を抜いた場合の変色は内部から行うホワイトニングやセラミックを被せる治療が通常行われます。歯の色にお悩みの方はまずは歯医者で相談してみましょう。


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