Microscope

マイクロスコープ
(手術用顕微鏡)とは?

われわれ歯科医が対象とするのは、小さな歯、そしてその中に通っているさらに小さな歯の神経、血管です。これらは、脳や心臓の血管と同じくらい細かな領域です。マイクロスコープ(手術用顕微鏡)によってより繊細で丁寧な治療が可能となり、救うことができる歯や歯周組織が少しずつ増えてきています。
現在、心臓外科や眼科の手術では欠かすことのできないものが、マイクロスコープ(手術用顕微鏡)とよばれる医療用顕微鏡です。マイクロスコープ(手術用顕微鏡)は肉眼の約20倍までの拡大率を可能にし、従来人間の目で認識することが難しかったものが見えるようになりました。

自分でも気づかないむし歯も
発見できます

初期のむし歯は痛みがないため、気づかない方がほとんどです。そればかりか、歯科医にも見つけられないことが多く、気づいたときには大幅に進行してしまっていることも珍しくありません。マイクロスコープ(手術用顕微鏡)は、肉眼では確認しにくい部分を明るい光の中で強拡大して確認できるため、歯のひび割れ(マイクロクラック)や歯の色の変化を見逃すことが少なくなり、早期発見・早期予防に役立つのです。

こころ歯科クリニックの
マイクロスコープ
(手術用顕微鏡)

マイクロスコープ(手術用顕微鏡)は、日本全国の歯科医院で5%前後しか導入されていません。そのため通常は肉眼で治療が行われ、それは根管治療や審美歯科のような難易度の高い治療でも同様です。

  • マイクロスコープ(手術用顕微鏡)のメリット

    • 歯質の除去を最小限にとどめながら正確に処置できる
    • 術野への侵襲が少ないため術後の痛みや腫れを軽減できる。
    • 修復物の適合性の向上や、細かい咬合調整が可能になる。
    • 歯石・エナメルプロジェクションの確認、除去だけでなく、骨移植や歯肉移植など歯周病治療に非常に有効である。
    • 狭くて暗い口腔内の処置の様子を、拡大して動画録画することが可能なため、ご自身の口腔内の状態を視覚的に確認できる。
  • どんな治療に有効ですか?

    顕微鏡治療は歯科用マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用して治療部位を20倍までに拡大視しながらおこなう治療方法です。歯を削るむし歯治療、根管治療(歯の神経の治療)、補綴治療(被せ物の治療)、歯周病治療、インプラント治療、口腔外科など、ほとんどすべての歯科治療において肉眼でおこなう従来の歯科治療よりも顕微鏡治療のほうが精度の高い治療が可能になります。

    精密な形成をするということ

    むし歯や歯周病は、治療を受けても再発してしまう可能性がある病気です。また治療が不十分だと治療後の生活に支障が出ることもあるため、「本当にちゃんと治ったの?」と、治療に不安や不信感を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか?
    こころ歯科クリニックでは、より精密な治療を行うために、マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を導入した治療を行っています。マイクロスコープを使った治療では治療中の映像をリアルタイムで記録することができるため、処置が終わった後にご希望があればその映像をお見せする事もできます。歯には爪や皮膚や他の臓器と違って組織自己回復力が全くありません。
    いったんむし歯によって細菌感染してしまうと残念ながら放っておいてもとに戻ることはありません。そのためできれば一回治療をしたらできるだけ長持ちするように処置をする必要があります。

  • マイクロスコープ(手術用顕微鏡)と根管治療

    歯科治療は「手探りの外科治療」とも言われています。実際に目ではみえない細かいところを、勘と経験で手探りで治療しているのが現状です。
    その精度には限界がありました。
    根管治療は歯の中に神経が入り込んでくるごく細い管(根管)の中の治療です。この根管は人それぞれで、湾曲していたり複雑に枝分かれしていたりもします。

  • また、大臼歯などでは根管は3本、4本と複数あり、そのすべてに完全な治療を行わなくてはなりません。
    この細かく複雑な根管内に神経組織や細菌が残ってしまうと、時間をかけ細菌が増殖し、骨の中に膿が溜まって歯茎が腫れたりするのです。
    マイクロスコープ(手術用顕微鏡)はその根管の中を明るく照らし、直接目で視ながら治療ができるのです。
    マイクロスコープ(手術用顕微鏡)の出現により根管治療はめざましい進歩を遂げたといえるでしょう。
    こころ歯科クリニックではマイクロスコープ(手術用顕微鏡)を用いて、精度の高い治療を提供し、なるべく抜歯をしない治療をおこなっています。

マイクロスコープのメリット

    • メリット1

      肉眼では認識できない所を拡大し、非常に小さな部分まで観察できるので、高い精度での診断・治療が可能となります。

    • メリット2

      むし歯を詰めたりする際にも必要最小限の部分だけを削り取ることで歯質の保存ができ、審美的にも優れた治療になります。

    • メリット3

      インプラント手術や歯周病(しそうのうろう)の手術などにも利用することで、治りが早くきれい、術後の腫れや痛み、出血が少ないなどのメリットがあります。

    • メリット4

      歯にかぶせたり詰めたりする場合も拡大することで、精密な冠や詰め物を入れることができます。

    • メリット5

      歯科医師側の疲労の軽減が可能です。無理な姿勢で口腔内を覗き込む作業がなくなるため、肉体的にも眼精疲労もなくなりました。すべての患者さんに対して常に適切なコンディションで治療に臨むことができます。

  • 最小限の歯の切削量でむし歯の治療が可能になります

    マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を用いた治療では、むし歯除去用の切削器具は1mm以下のとても小さな器具も使います。
    むし歯を詰めたりする際にも、必要最小限の部分だけを削り取ることで歯質の保存ができ、審美的にも優れた治療になります。

マイクロスコープを使った
歯科治療

  • むし歯治療

    マイクロスコープでの精密歯科治療が行なわれる前は、肉眼やルーペでの治療が主流でした。やむを得ずむし歯の治療においては、(マイクロスコープでの治療レベルと比較すると)大きく削ることが行なわれてきました。わずかなむし歯を削るために、健康な歯質を大きく削り犠牲にしてきたと言えます(小さなむし歯の銀歯の治療がその代表)。
    マイクロスコープの出現と接着技術により、ミクロの世界の確実なむし歯治療が可能となりました。

  • 従来のむし歯治療

    予防拡大という誤った概念(=むし歯になってしまったところはさらに中で広がってしまっている可能性があるから、念のためにあらかじめ大きめに削っておきましょう)により、かつてのむし歯の治療では「大きく削ることは正しい」と教育され、それは100年前からはほぼ変わらない考え方で、小さなむし歯が大きく金属で詰められているのは、修復物をつける接着剤の技術が低かった時代の産物です。

  • 現代のむし歯治療

    現代の接着技術とマイクロスコープにより、健康な歯質はなるべく削らずに、最小限の削除量でむし歯の治療が可能になってきました。

    むし歯はしっかり治療をしたつもりでも、いつ再発するかわからないものです。
    できるだけ再発を防げるように、マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用して細かな治療まで徹底的に行うことが必要です。
    マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を用いた治療では、むし歯除去用の切削器具は1mm以下のとても小さな器具も使います。
    むし歯を詰めたりする際にも、必要最小限の部分だけを削り取ることで歯質の保存ができ、審美的にも優れた治療になります。

  • 歯周病治療

    マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用することで、歯周病の再生治療が可能になります。歯周ポケットの中、根面の細かい部分まで、マイクロスコープ(手術用顕微鏡)で見えるからです。
    歯周病再生治療のためには、歯周病菌・菌の毒素を根面から除去し、かつ健康なセメント質は残さないといけません。
    そのような操作は、マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を用いないと、大変難しいと思われます。

  • 審美治療

    高精度を要求される本当の「審美治療」において、マイクロスコープは必須の道具です。
    キレイ(高精度)に歯が削られていないと、ピッタリ合ったかぶせ物を作ることが困難になってしまいます。かぶせ物がピッタリ合っていないと、長持ちしなくなってしまいます。また、かぶせ物がピッタリ合ってないと変色の原因にもなり、せっかく審美歯科治療をしたはずが台無しになってしまうこともあるのです。
    つまり、ほんのわずかの隙間も作らないほどの高精度な治療が、本当の「審美治療」には求められているのです。
    それだけでなく最近では審美治療に使われるセメントが歯の色に非常に近くなっており、肉眼では見分けるのが困難な場合が多くあります。
    セメントの取り残しはかぶせ物を装着したあとに、歯肉炎を引き起こす原因となる可能性があります。歯肉炎を引き起こすと、歯茎が下がってしまい、審美性を損なう原因となります。

    しかし、マイクロスコープを使うことで、肉眼よりも遥かに拡大した映像を見ることが可能になり、今まで肉眼では見えなかったものが見えるようになります。
    とくにラミネートベニアの治療をする場合は、歯の表面を薄く削る必要があります。さらにラミネートベニアは隣の歯を削らずに、治療する歯の表面をわずかに削らなければいけない場合も多くあります。このように、「治療する歯を最低限しか削らず、かつ隣の歯を傷つけない」という高精度が要求される場合には、肉眼では限界が生じます。
    また、ラミネートベニアの場合、セラミックと歯の境目が歯の表面に来る関係上、その境目にほんのわずかでも段差があれば、その段差にプラーク(歯垢)が沈着し、境目が変色するリスクが高くなってしまいます。
    上記のようなことを考えると本当の「審美治療」をする上で、マイクロスコープは正に必須の道具といえます。

  • 口腔外科

    マイクロスコープを使用したマイクロサージェリー(精密な治療)は、脳外科や眼科など、高い精度を求められる領域では既におこなわれています。傷口も、髪の毛よりも細い糸で縫合をおこなうことにより、術後の痛みや不快感をおさえることができます。

  • 根管治療

    根管治療とは、歯の中の神経の通っている管(根管)を削りなおし、根管充填材を詰め、細菌の感染を防ぐ治療です。むし歯が歯髄にまで及んでしまった場合や、歯の根が病気になった場合などに根管治療が行われます。
    根管治療は歯の治療の基礎であり、どんなにきれいな歯を被せても、適切な根管治療がされていないと歯は長くもちません。根管治療がしっかりされていないと、後々に根尖性歯周炎になり、根の先端が化膿したり、痛みがでるからです。

  • 根管治療の流れ

    歯根の中の神経は、このように複雑に走行しています。まるで、木の幹から枝分かれしたようになっています。太い主根管から、ごぼうのひげのように細い神経がたくさんのびているイメージです。とくに大臼歯などでは根管は3本、4本と複数あり、そのすべてに完全な治療を行わなくてはなりません。この細かく複雑な根管内に神経組織や細菌が残ってしまうと、時間をかけ細菌が増殖し、骨の中に膿が溜まって歯茎が腫れたりするのです。
    根管治療(根の消毒)は、この神経の中の感染源(細菌)の徹底した除去が必要なため、従来の保険治療で行われて来た方法(見えない歯の中を手探りでほじくる方法)では、当然限界(感染源の取り残しによる再感染)があるわけです。
    マイクロスコープ(手術用顕微鏡)はその根管の中を明るく照らし、直接目で視ながら治療ができるのです。
    マイクロスコープ(手術用顕微鏡)の出現により根管治療はめざましい進歩を遂げたといえるでしょう。
    当院ではマイクロスコープ(手術用顕微鏡)を用いて、精度の高い治療を提供し、なるべく抜歯をしない治療をおこなっています。

  • インプラント

    インプラント治療においても、マイクロスコープを用いた顕微鏡治療は近年その有効性が認められています。術後の腫れや痛みを抑え、また傷口の治りが従来の手術よりも早いなどのメリットをもっています。とくに審美性が重要な前歯のインプラント治療には、顕微鏡治療は有効な方法です。

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