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ピンクから石へ

9月1日でこころ歯科クリニックは開業15年目を迎え、治療方法もスタッフも考え方も随分と変わってきたなとちょっとだけ後ろを振り返ったりもしていました。15年も経つと流石に色々なところに故障やほころびが現れ、またこの夏、私自身初めて帯状疱疹を経験したりして、いままでなんともなかったことも本当はストレスになっていて、それらを少しずつ見直さなければいけない時期なのかなと思っています。

駐車場の入口サインも随分とへたり、よくみると貼ったシートはシワシワでハゲハゲで、色もピンクで。数年前一度張り替えてはいるのだがやはり新品のままでいることは不可能なのだと。そこで雨にさらされても、古くなってもそれが味になっていくような、石と銅板を使ったサインにしました。古くなっていくことを恐れる必要がないむしろ楽しみでさえあるように。        (設計施工:ザシーズン蟹江さん)https://the-season.net/nagoya/

古くなったピンクのサインは当時の思い入れもあり、嫌いになったわけではなく、捨てることなどできるわけもなく、スタッフの入口近くで院長室から常に見られる場所に、汗まみれ、蚊まみれになりながらスコップで無心に掘って掘ってして移設しました。

また余った石は中庭のオリーブの植木の周りに配置しました。

治療でもそうなのですが、新しい材料や治療方法が必ずしも最善で最高であるとはいえず、消えていったり結果が出なかったものもたくさんあります。若い頃、最新の治療や機械こそが患者さんを救えると思い本当にすぐに飛びつき、治せていると勘違いをしていたことを今ならわかります。時間にさらされ、評価に耐え、それでも残ったものを信用するように変わってきた自分がいます。この石のように古くなっても形が変わってしまっても、渋みや味があるようなそんな人間に私はなりたい。

 

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