マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を治療に用いることで、拡大視野下でより正確な診断、治療ができるようになってきました。これにより再治療をできるだけ減らし、生涯における通院回数を少しでも減らすことができればと思っています。
肉眼では認識することが困難な歯の細かい凹凸やヒビ、深部の虫歯などを想像ではなく、視覚で診断する能力が大幅に向上、さらにより丁寧な治療を行うことができるようになってきました。
今までの肉眼での治療では、識別できる視界にどうしても限界があるため、削る必要のない箇所までも削ってしまっていた可能性があります。
・丁寧でより正確に虫歯を除去できる
・削りすぎが少なくなる
・効率のよい治療ができる→治療時間・通院期間の短縮につながる
◆導入実績がまだまだ少ない
日本におけるマイクロスコープ(手術用顕微鏡)の歯科への導入は、まだまだ進んでおりません。日本全国の歯科医院でたった5%前後といわれています。まず機器が高額なこと、そして使いこなすためのトレーニングが必要であることなどが原因となっているからです。
◆脳外科などでも使われている
マイクロスコープ(手術用顕微鏡)は脳外科、眼科などでも使われております。また、アメリカの根管治療(歯の根の治療)では、マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使うことが義務づけられている州もあるくらいです。
虫歯と下がった歯肉をどうにかしたい
カリエス→セラミックインレー
金属を白くしたい(35歳女性)
主訴:右下に虫歯がある。歯茎も下がっていてきになる。
診断:交差咬合による歯茎部への咬合負担が原因で、歯茎部付近の歯面のアブフラクションが生じ、そこに虫歯ができている。コンポジットレジンでの修復も繰り返している。右下6番に関しては歯根破折があり抜歯が必要。
治療方法:交差咬合を改善するためブラケットならびに矯正用ワイヤーによる全顎的な矯正治療を行い、その後虫歯の除去ならびに露出根面に対しては上皮化結合組織の移植による歯根面被覆術を行う。右下6番の欠損に関してはインプラントによる欠損補綴を行う。
費用:全顎的矯正治療¥900,000(税別)歯根面被覆術¥80,000(税別)インプラント¥450,000(税別)
リスク:インプラントを選択した場合、インプラント周囲炎のリスクがあること、また一生保つことができるとは限らないと説明。そのためにはナイトガードが必須である事、メインテナンスの重要性を説明。
歯の表面には歯垢等の汚れがついており、虫歯の原因となるミュータンス菌(虫歯菌)がたくさんいます。ミュータンス菌は、私達の食生活内にある砂糖(糖質)を利用し、酸をつくって歯を溶かします。これを「脱灰」といいます。脱灰が進むと歯が溶けて穴があいてしまいます。歯垢を除去せずにそのままに放置したり、砂糖(糖質)を多く摂取する習慣があると、脱灰が進行して、再生が不可能となったものが虫歯となるのです。
また、ミュータンス菌を歯面に付着したまま放置しておくと、ミュータンス菌は砂糖(糖質)を分解して、水に溶けないネバネバを作り出し、ミュータンス菌以外の口腔内常在菌を歯の表面にくっつけ、細菌の塊である歯垢を形作ります。そのままの状態でい続けると、バイオフィルムを形成し、酸素や細菌を壊す酵素・薬液を通さなくなります。この状態になると薬で取り除くことはできません。歯ブラシ、歯間ブラシ、フロス、などで機械的に掃除するしかありません。
バイオフィルムとは口腔内の歯周病菌、その他の雑菌によって構成される細菌の膜のことをいいます。分かりやすくイメージすると、キッチンの流しやお風呂場の浴槽などに付着する”ヌルヌル”です。それはミュータンス菌や口腔内常在菌が、粘性のフィルム状の膜をつくって繁殖しやすい環境に成長したものです。
バイオフィルムは歯面や歯と歯肉の間の歯周ポケットに付着するだけでなく、舌の表面(口臭の原因となる舌苔)や入れ歯にも強固に付着しています。特にバイオフィルムが付着するのは、ブラッシングでもきちんと磨けていない部分で、組織の炎症や破壊を引き起こし虫歯・歯周病の原因となります。このような虫歯の増殖を抑えるのはやはり、日ごろの正しいブラッシングが必要不可欠であり、定期的なケアが重要となります。
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
9:30-13:30(最終受付13:00) | ○ | ○ | ― | ○ | ○ | ※ | ― |
15:00-18:30(最終受付18:00) | ○ | ○ | ― | ○ | ○ | ― | ― |
※土曜日の診療時間は9:00-14:00(最終受付13:30)です
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