blog【blog】マイクロスコープ
歯科の道
開業以来非常に多くの方を治療させていただいた。思い出すのはまだ30代で自分の腕が稚拙にもかかわらず、やる気だけあって、最新だから、あの先生が言っている事だからいい治療なはずだと信じて、できると思って治療したにもかかわらず、思うような結果が出なくて患者さんの期待を越えられなかった患者さんのことです。悲しい思いをさせてしまったのに直接文句を言うこともせず、今は来院されていない方のことをほぼ毎日と言っていいほど思い出します。
新しくて綺麗な歯科医院もたくさんでき、分院展開で何件もの歯科医院を経営する先生や、最新機器を全面に出してSNSでしきりに宣伝をしている歯科医院など全国本当に様々な形態の歯科医院が存在しています。「畑先生は分院出さないの?」「これからの展開は?」などたまに聞かれます。が毎回その度に聞かれている意味というか、???が頭の中を通り過ぎます。まだ完璧に治療できたと言えるような患者さんは未だいないし、まだもっといい治療方法はあるはずだし、経営ではなくもっと治療のことで考えなきゃいけないことはいっぱいあると思っています。50歳になり体力勝負の運動選手ならとっくにピークを越えていると思いますが、歯科医師としては今一番いい時だと思っています。老眼はありますが私にはマイクロスコープというスーパーな視力がありますし、10年越しのスタッフや、感性の高いスタッフに囲まれ、失っていくものもたくさんあり切なくもなりますが、その代わり得てきたものもたくさんあって、今あるものに感謝できるようにもなってきました。年商や歯科の規模を競うことに興味はなく、うまくいかなかった患者さんへの罪滅ぼしでもあり、歯科の道を極めたいだけなのだ。