Case

歯槽骨の吸収に対して根管治療と歯周病治療で対応したcase

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  • 症例情報

    主訴 右下の奥歯が眠れないほど痛い
    治療方法 マイクロスコープの拡大明視野下での根管治療
    年代 50代
    性別 男性
    費用 歯肉縁下歯石除去および根分岐部のエナメルプロジェクション除去 ¥35.200(税込)
    ジルコニア冠 ¥165.000(税込)
    治療期間 約2ヶ月
    来院回数 6回
    メリット 肉眼では全く見えない根管内やエナメルプロジェクションもマイクロスコープを使ってしっかり見て治療できる。
    リスク 歯冠破折による歯髄の感染から歯髄壊死を起こしていた。矯正治療は行なっていないため夜間のブラキシズムによるクラック防止のためにナイトガードは必須。
  • 治療詳細

    口腔内を観察したところ夜も眠れないほどの痛みを伴うような大きな虫歯の欠損もなく、レントゲン上でも大きな虫歯の黒い影を認められなかった。しかしマイクロスコープの拡大明視野下で注意深く見てみると右下第2大臼歯の遠心の歯質にクラックが認められた。金属を外すとそのクラックが金属の下で深く深く横断して、歯髄まで及んでいた。

    歯の神経を除去した後、一旦痛みが緩和するも今度は歯茎部から排膿を認める。麻酔をしてマイクロスコープの拡大明視野下で歯肉を剥離すると根分岐部にエナメルプロジェクション(エナメルプロジェクション=大臼歯などの多根歯に見られるエナメル質の突起で、根分岐部の中にまでエナメル質が伸びているもの。エナメル質表面には結合組織付着がないため、一旦この歯が歯周病を発生すると、根分岐部病変に移行しやすい)が確認できたため、エナメルプロジェクションの除去と歯肉縁下歯石の除去を行う。

    根管治療および根分岐部病変処置後6ヶ月。痛みも排膿も消失している。近心および根分岐部にあった骨透過像も消失し、歯槽骨がリバウンドしているように思われる。

  • 当院からのコメント

    エナメルプロジェクション(エナメルプロジェクション=大臼歯などの多根歯に見られるエナメル質の突起で、根分岐部の中にまでエナメル質が伸びているもの。エナメル質表面には結合組織付着がないため、一旦この歯が歯周病を発生すると、根分岐部病変に移行しやすい)は決して珍しいものではなく根分岐部にはよく観察される。ただし肉眼やルーペでは見落としてしまう可能性が非常に高い。事実私自身まだマイクロスコープを使用していなかった10年前までは恥ずかしながら、エナメルプロジェクションの存在は教科書に出てくるので知っていたものの、まさかそれが歯周病治療に非常に重要であり、またマイクロスコープの直視の拡大明視野下であれば除去できて治療可能であるとは考えもしていませんでした。

    歯周病治療に関するページはこちらhttps://www.kokoro-dc.jp/periodontal/

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