妊娠中は歯科治療をしても大丈夫?
検診の時期
妊娠が判明し、母子手帳を交付された時期から、悪阻や体調などを考慮して、検診を受けましょう。予約時や受診時には必ず妊娠していることを受付の人や、歯科医師、歯科衛生士等に伝えましょう。
治療の時期
妊娠初期には、妊婦さんの体調やお腹の中の赤ちゃんの状態が不安定であり、歯科検診や治療を受ける前に、かかりつけ産婦人科医に相談し、歯科医院と共に歯科治療の時期を決めましょう。一般的に歯科治療に最適と言われる時期は妊娠16週と言われている安定期です。妊娠28週目からの妊娠後期からは、お腹が大きくせり出すために、仰向けの状態で同じ姿勢でいることや、診療ユニットから転落などのリスクも高めるため、十分注意しましょう。
妊娠時の歯科治療で気をつけること
麻酔
歯科治療では主に局所麻酔薬を使用します。近年では主にリドカイン局所麻酔薬が使用され、投与したことが原因でお腹の中の赤ちゃんになんらかの影響がでる可能性は極めて低くいですが、麻酔薬は胎盤を通りお腹の中の赤ちゃんにも微量ながら移行していると考えられていますが、一般的に歯科治療で使用する麻酔薬の量ならば問題ないとされています。
しかし、赤ちゃんの器官が形成する時期である妊娠12週までは、なるべく薬剤などは使用しない方が賢明と考えます。しかし、虫歯などで緊急に処置が必要な場合は局所麻酔薬を使用して治療を受けましょう。
レントゲン
歯科治療でレントゲン撮影をおこなう際の放射線量はごくわずかであり、直接赤ちゃんがいるお腹を撮影するわけではないため、過度な心配はありません。また、放射線を通さない鉛が入った防護エプロンを着用し撮影をおこなうことで、より安心してレントゲン撮影をおこなうことが可能です。
投薬
局所麻酔薬と同様、お腹の中の赤ちゃんの器官が形成される妊娠12週まではなるべく服薬・投薬することは避けるべきでしょう。歯科治療で主に処方される薬は抗菌薬である抗生物質や鎮痛剤です。お腹の中の赤ちゃんにも影響が少ないとされている、ペニシリン系、セファム系、βラクタム系の薬を処方してもらいましょう。
姿勢
安定期(妊娠16週以降)に入るにつれて、お腹の中の赤ちゃんも大きく成長し、それにともない妊婦さんのお腹も大きくなり、妊娠後期である妊娠28週以降にはお腹が更にせり出します。前述でもお伝えしたように、お腹が大きくなるにつれて、身体のバランスを保つことが難しくなります。診療ユニットで同じ体制をとることが困難になる場合や、診療ユニットから転落してしまうリスクも高まるため、注意が必要です。
妊娠中に普段気を付けること
妊娠と歯周病
妊婦さんが歯周病に罹患している場合、低体重児を産むリスクが高くなります。生まれた時の赤ちゃんの体重が2,500グラム以下の場合は低体重児となり、妊娠22~36週の間に早産で生まれた赤ちゃんに多くみられます。歯周病菌が歯肉から血中に進入し、子宮収縮を促してしまい早産や低体重として生まれるリスクが7倍にも膨れ上があるのです。
妊婦さんが歯周病に罹患してしまう、または既に罹患してしまっている場合は、歯周病が進行しやすく、歯周病予防や適切な治療が必要となり、それにともない日々のセルフケアもしっかりとおこないましょう。
以上、妊娠中の歯科検診、歯科治療、お腹の中の赤ちゃんへの影響についてご紹介しました。妊娠中の歯科検診、歯科治療、日々のセルフケアはどれをとっても重要であり、しっかりとおこないましょう。
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