根管治療とは?

1つ目は、歯の組織の中で唯一の軟組織であり、歯髄の他にも毛細血管や結合組織が歯髄腔を満たしています。それら軟組織が虫歯菌に蝕まれ腐敗した症状の場合です。専用の器具で歯髄や軟組織を除去し、根管内の清掃や消毒をおこない、ゴム状の薬剤を根管の先までまんべんなく充填し、失った歯の機能を取り戻すための土台(コア)制作、補綴物(被せ物)制作へと繋げるための治療です。
2つ目は、歯の根っこの先に膿が溜まっている状況や、一度根管治療をし、ゴム状の薬剤が根管内にまんべんなく充填しきれていなかった場合などに空間ができてしまっている場合に、たんぱく質や血液が根管内に侵入、感染し根尖(根管の先端)に病巣が出来ている場合です。上記と同様に腐敗した歯髄や毛細血管、結合組織を専用の器具を使用して除去し、根管内を清掃や消毒をし、ゴム状の薬剤を根管の先までまんべんなく充填し、失った歯の機能を取り戻すための土台(コア)制作、補綴物(被せ物)制作へと繋げるための治療です。
根管治療の歴史は古く、麻酔が使用されていない1800年代、歯の治療は大変苦痛なものでありました。虫歯となった部分をとがった器具でえぐり、虫歯に蝕まれ腐敗した歯髄を焼くために、根管内に火で熱した細い金属を押し当てて、腐敗した歯髄を焼き付け、金属を熱く熱し溶かしたものをえぐりとってできた空洞に叩きながらつめこむなどの工程を踏み、歯科治療はおこなわれていました。
現在と比べれば歯科医療技術には雲泥の差がありますが、ほぼ同じような治療内容を麻酔が発見されていない時代からおこなっていました。歯科医療技術が向上した現在の根管治療では、保険診療と自費診療と2つの治療法があり、各治療方法のメリット、デメリットを見極め、治療を受けることが重要となります。
保険診療の根管治療
保険診療の根管治療は、限られた器材、器具、薬剤を使用して治療をおこないます。なかでも根管内に充填する薬剤はホルムアルデヒド系の薬剤を使用することが多く、このホルムアルデヒド系は環境ホルモンであり、体内のバランスに影響を与え、シックハウス症候群などを引き起こしかねない恐れもあり、アメリカやヨーロッパでは使用禁止とされています。歯科医院独特の薬品の臭いは、このホルムアルデヒド系の薬剤の影響です。また、治療方法も限られているために、細かく狭窄した歯根内で治療するには高度な技術が必要となり、成功率は30%~50%といわれ、歯を維持することが難しくなってしまう場合があります。
自費診療の根管治療
いっぽう自費診療では、使用する器材、器具、薬剤に制限がなく、根管治療を成功におさめるために、保険診療ではおこなえない更に高度な治療をおこない、治療成功率は80%~90%にまでのぼり、保険診療に比べてはるかに高い確率で治療を成功させることが可能となります。
では、自費診療ではどのように治療をおこなっているかをご紹介してまいります。
ラバーダム防湿法
しかし、ラバーダム防湿法はラバーダム設置までの工程に手間がかかるために、実施している歯科医院は数少なく、根管治療をおこなう場合はラバーダム防湿法をおこなっているかがキーポイントとなります。
根管治療には必須?マイクロスコープ(手術用顕微鏡)とは

手術用顕微鏡ともよばれ、心臓手術や眼の手術などでも使用されている機材であり、脳や心臓の血管どうように歯の神経や根管内は繊細であり、マイクロスコープを使用することで管治療する患部を肉眼の約20倍まで拡大することができます。細く狭窄している根管内での治療は1ミリ単位以下でおこなうために、マイクロスコープで患部を拡大しながら治療をおこなえ、従来では困難であった精度の高い治療が可能となります。また精度な治療が可能となり、保険診療よりも時間をかけずに治療をおこなうこともできるようになります。
マイクロスコープを使用する自費診療をおこなう歯科医院は限られているため、ラバーダム防湿法とならび、根管治療をおこなう際のキーポイントとなります。
根管治療から補綴治療へ
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