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辛くて幸せな日々です。

 西表島で撮影した天の川です。たまたま旅行先に西表島を選び、その日はたまたま7月の新月で、ホテルから1分で着く海岸から見上げたらいきなりこれでした。国際ダークスカイ協会(本部・米国)が行う制度で世界64地域が認定され、2018年3月30日に「星空保護区」になったそうです。八重山諸島は日本上空を流れるジェット気流から外れているため、大気のゆらぎが少なく、星の光が地上に届きやすくなるのです。※ジェット気流とは対流圏上層に位置する強い偏西風の流れのことを言います。つまり星がまたたかないのです。カメラは好きで学生の時からフィルムカメラをどこに行くにでも手放さなっかた私ですが、いつか天の川を撮りたいと思って最初に撮影したのがこれだったので、その後色々な星空を撮影しましたがなかなかこの時の感動を超えることができません。

 歯科の治療の中で、下がってしまった歯周組織を増やすことができる治療ができるようになりたくて、もちろんそれは肉眼では難しく、マイクロスコープの習得に始まり、細かな術式を学び、費やした期間は約5年がかかりました。その治療ができた時、その増加量といえばたった1mm程度のほんのわずかなことで、隣にいたスタッフはキョトンとしていましたが、その結果を見た時、私の体のど真ん中が震えたのを今でも覚えています。一旦なくしてしまうと戻すことができない歯や歯周組織ですが、それを少しでも戻せる治療に魅力を感じ、トレーニングを重ね、思ったような結果が出ない日々が続きました。しかしその1mmに全て救われたような気持ちでした。すぐに手に入るもので得られる高揚感がいかに儚く、ちっぽけかと。これから先いつ西表島を超える星空に出会えるか、いつ思ったように歯周組織を増やすことができるようになるか、ゴールはないのかもしれませんが、辛くて幸せな日々が続きますように。

こころ歯科クリニック 院長 畑 伸二郎

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