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フッ素ってどんな薬剤?安全性と効力を学び...

テレビやCM、雑誌などでフッ素が頻繁に取り上げられるようになり、みなさんもフッ素という言葉を目にしたり、耳にしたりする機会も多いのではないでしょうか。「歯に良いもの」、「虫歯を予防するもの」と理解している人も数多くいらっしゃいますが、実際には、どのような効力や効果を得られるのか、ご存知ではない人も中にはいらっしゃいます。そこで今回は、フッ素について詳しくご紹介していきます。

フッ素とはどんな薬剤?

進行した虫歯
健康の歯は、虫歯の原因菌であるストレプトコッカス・ミュータンス菌が食品に含まれる糖をエネルギーにして酸を作り出し、歯を溶かし虫歯になっていきます。歯が酸によって溶かされることを脱灰と呼び、唾液の成分であるリンやカルシウムが溶け出した歯を元の状態に戻す働きがあり、この働きを再石灰化(修復)と呼び、脱灰と再石灰化を繰り返し、健康な歯を維持しています。しかし、歯磨きなどの口腔ケアが疎かになってしまったり、正しくおこなわれなかったりする場合には、再石灰化の働きのバランスが崩れ、再石灰化されずに歯は酸によって溶かされ続け、ついには進行した虫歯となってしまいます。

フッ素は再石灰化の働きを促す作用があり、虫歯になる原因である酸から歯を守り、虫歯になりにくくなります。

安全性と効力

お口の中で使用するフッ素の安全性が気になるところではありますが、フッ素は自然界にもともと存在するミネラル成分であり、土、海水にも含まれ、そこで栽培、捕虜される野菜、果物、魚介類などにも微量にフッ素が含まれており、それらを食料として食している私たち人類の骨や歯にもフッ素は含まれています。フッ素は主に3つの効力が期待できます。

再石灰化を促す

酸によって溶かされはじめた歯を元の状態に戻す働きである、再石灰化を更に促す効力があります。

虫歯から歯を守る

フッ素を歯面に取り込むことで、酸に強い歯となります。

虫歯菌の勢力を抑制

食べ物に含まれる糖をエネルギーにし虫歯の原因である酸を生産する、ストレプトコッカス・ミュータンス菌などの力を抑制する働きがあります。

歯科医院で使用するフッ素

歯科医院でおこなうフッ素治療をご紹介します。歯科医院で使用するフッ素濃度が高く、歯科医師・歯科衛生士のみが取り扱えるものであり、高い効果が期待できます。

フッ素塗布

歯科医院で扱うフッ素は一般では販売していない、9,000ppmと高濃度なフッ素を歯に塗布します。唾液が塗布中の歯に触れないようにロールワッテと呼ばれる円筒状の綿などで防湿します。数分間歯面にフッ素を浸透させ、塗布後はうがいを避け、唾液も飲み込まず、吐き出し、塗布後は30分間飲食を控え、フッ素の浸透率をより高めます。

定期的にフッ素塗布を受けることで、虫歯に強い歯となります。

家庭で使用するフッ素

フッ素配合の歯磨剤と歯ブラシ
一般に購入でき、家庭で扱うことのできるフッ素濃度は、高くても1,500ppm程度ではありますが、口の中や歯面にフッ素を留めることを目的とする場合は950ppm以上のものを使用しましょう。また、成人と子どもで適切なフッ素濃度は異なり、フッ素濃度1,000ppm以上のフッ素は6歳未満の子どもには使用しないように注意しましょう。

フッ素配合の歯磨剤

ドラックストアやコンビニなどで販売している歯磨剤には、フッ素が配合されているものも多く存在します。1度に大量のフッ素入り歯磨剤を使用すれば、使用するだけ効果がでると考える人も中にはいらっしゃるかと思いますが、1回の歯磨きに使用する適切な歯磨剤の量は、豆粒程度の少量です。

また、就寝中は唾液の分泌が減少しフッ素が口の中に留まりやすくフッ素効果をより維持できるように、就寝前にフッ素入り歯磨剤を使用することをおすすめします。

フッ素ジェル

フッ素をジェル状にしたものは、歯面への停滞率もよく、塗布した部位が一目でわかるので、塗り残し、二重塗りを防ぎます。普段の歯磨きのあと、フッ素ジェルを歯に塗布する場合は、歯ブラシを使用して、満面なく塗布しましょう。

フッ素洗口液

無味無臭なフッ素入りの洗口液です。1回分の分量を守り歯磨きをした後に、30秒ほどくちに含み、洗口液が口の中にまんべんなく行き渡るようにしましょう。この時、万が一洗口液を飲み込んでしまっても、1回分の用量を守って口の中にフッ素洗口液を含んでいる場合は、過度な心配はいりません。

家庭でおこなえるフッ素ケアと、歯科医院でおこなうフッ素塗布を併用しておこなうことで、更なる効果が期待できると考えられています。

フッ素のデメリットは?

フッ素を過剰摂取してしまった場合、歯が白く濁ってみえる斑状歯や、褐色の斑点が歯面に現れるコラルド褐色や、呼吸困難、下痢、嘔吐といったフッ素中毒症の症状が現れてしまう恐れもありますが、用量・使用方法を守ってフッ素を使用する分には、人体には影響はありません。ただし、小さなお子さまがいらっしゃるご家庭の場合は、誤飲を防ぐためにも、子どもの手の届かない場所に保管しましょう。以上、フッ素の効力や効果、使用方法などについてご紹介してきました。フッ素はあくまでも虫歯を予防する働きがあるものであり、100%虫歯にならないようにするものではありません。毎日の歯磨きや口腔ケアと合わせて、フッ素ケアを取り入ることで、更なる虫歯治療へと繋げていきましょう。

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